【2025年最新版】南海トラフ地震──80年の時を経て、私たちは何を学び、どう備えるべきか?

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2025年、私たちは再び大きな自然災害のリスクと向き合わなければなりません。
日本列島の太平洋側を襲う可能性が高い「南海トラフ地震」。
この巨大地震は、1944年の昭和東南海地震から約80年が経過し、今まさに「いつ起きてもおかしくない」状況にあります。

しかし、多くの人は過去の災害の記憶が薄れ、防災への関心も徐々に低くなっているのが現実です。
この記事では、南海トラフ地震の特徴や過去の教訓、最新のリスク情報をわかりやすく説明し、
皆さんが日常生活に取り入れられる具体的な防災対策についても詳しく解説します。


1. 南海トラフ地震とは?──日本の大地震の“メガストーム”

南海トラフとはどこか?

南海トラフは、静岡県駿河湾から鹿児島県南部の日向灘沖にかけて広がる海底の溝(トラフ)のことです。
このトラフは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートという2つの巨大な地殻プレートがぶつかる境界線であり、地震の発生源となります。

この場所では大規模な断層破壊が周期的に起きるため、南海トラフ地震は「超巨大地震」と呼ばれています。

なぜ南海トラフ地震は特別なのか?

過去の調査から、南海トラフでは約100〜150年の周期でマグニチュード8〜9クラスの巨大地震が繰り返し発生しています。
この地震が起きると、激しい揺れだけでなく、最大で10メートルを超える津波が沿岸部を襲います。

この津波は、車や建物を流し、人命やインフラに甚大な被害をもたらすことが予測されています。


2. 過去の南海トラフ地震の記録と教訓

昭和東南海地震(1944年)

1944年12月7日に発生した地震で、主に静岡県から三重県にかけて大きな被害が出ました。
死者は約1,223人と記録され、家屋の倒壊や津波による浸水が広範囲で発生しました。

昭和南海地震(1946年)

東南海地震の2年後、1946年12月21日に起きたのが昭和南海地震です。
和歌山県や高知県を中心に被害が集中し、死者は約1,330人。

これらの2つの地震は、約2年の時間差を置いて連続的に発生し、地域の人々に強い衝撃を与えました。

連鎖地震の教訓

このように南海トラフ地震は一度に発生するのではなく、「連鎖して複数年にわたり起こる」可能性があります。
そのため、「大きな揺れを感じたから安心」というのは危険な考え方です。


3. 現代のリスクと最新の予測

次の南海トラフ地震はいつ起きるのか?

国の地震調査研究推進本部による2023年の最新評価では、今後30年以内に南海トラフ地震が起きる確率は約70%とされています。

これは非常に高い数値で、つまり「いつ起きてもおかしくない」状態であることを示しています。

発生の予兆はあるのか?

地震予知は極めて難しく、たとえ地殻変動の異常が観測されても、それが必ず地震につながるとは限りません。

政府は「異常が観測されないまま、突然起こることもある」と警告しています。


4. 日本人の防災意識──なぜ“慣れ”が危険なのか

災害の記憶は薄れやすい

阪神・淡路大震災(1995年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)と大規模な災害を経験しても、時が経つと多くの人は危機感を忘れてしまいます。

これは自然な心理で「正常性バイアス」と呼ばれ、
「何も起きていない」「自分は大丈夫」と無意識に思い込んでしまう傾向です。

集団的な“慣れ”の問題

さらに日本人は集団的に「日常に戻る力」が強い反面、災害の記憶が社会全体で薄れるという特徴があります。

これが大災害の備えを怠る要因になってしまうことも多いのです。


5. 南海トラフ地震に備える具体的な行動──今すぐできる防災対策

5-1. 物の備えは“命を守る”最初のステップ

① 水と食料の確保

最低でも3日分、理想的には7日分の飲料水と保存食を用意しましょう。

保存食は賞味期限が長く、調理不要なものが便利です。
カップ麺、缶詰、レトルト食品、乾パンなどがおすすめ。

② 非常用持ち出し袋の準備

リュックに必要なものをまとめておき、いざという時すぐ持ち出せるようにします。

必須アイテム:

  • 懐中電灯(予備の電池も)
  • 携帯電話の充電器・モバイルバッテリー
  • 救急セット(ばんそうこう、消毒液など)
  • 簡易トイレや生理用品
  • 常備薬や処方薬(持病がある場合)
  • 乳幼児や高齢者のための必要品

③ 家の耐震対策

家具の固定やガラス飛散防止フィルムの貼付など、家の中の危険を減らしましょう。

5-2. 心と行動の備え──家族の安全を守るために

① 避難場所と避難経路の確認

家族で避難場所を決め、複数のルートを確認しておきましょう。

地元自治体のハザードマップを必ず確認し、危険な地域かどうかを把握しておくことが大切です。

② 家族との連絡方法の決定

災害時は電話回線が混雑しやすいため、災害用伝言板やSNSを使う方法も話し合っておきましょう。

③ 防災アプリの活用

気象庁や自治体の公式防災アプリをスマホに入れておくと、緊急地震速報や避難情報をリアルタイムで受け取れます。

④ 実際に行動のシミュレーションを

地震発生時にどう動くか、家族でシュミレーションしておくことも非常に有効です。

6. 医療現場から見た南海トラフ地震のリスク

私は医療従事者として、多くの災害時に被災地の医療支援に携わってきました。
そこで痛感するのは、大地震発生後の医療体制の脆弱さです。

病院も被災地の一部になる

地震で建物やインフラが損傷すると、病院も例外ではありません。
停電、断水、通信障害、医療機器の故障が相次ぎ、平時のような医療提供が困難になります。

被災者の急増と医療資源の不足

大量の負傷者が病院に押し寄せ、医療スタッフも被災者であったり、通勤が困難になったりして不足します。
これにより、救命優先順位の判断を迫られる「トリアージ」の場面も多くなります。

自助・共助の重要性

災害時は「自分と家族の命は自分で守る」という自助の精神が最も重要です。
また、地域のコミュニティで助け合う共助も不可欠です。


7. SNSやネットで広がるデマと正しい情報の見極め方

災害時には不安からデマや根拠のない噂が広がりやすくなります。

例えば…

  • 「政治的な勢力と地震発生が関係している」
  • 「特定の地域が狙われる」

こうした話には科学的根拠が全くありません。

情報の取り扱い方

  • 政府や気象庁、消防庁などの公式情報を確認する
  • 不明な情報はSNSで拡散しない
  • 地域の自治体の防災サイトをチェックする

これが正しい備えに繋がります。


8. まとめ──今、行動しなければ未来は変わらない

南海トラフ地震は「いつ起きてもおかしくない」状態にあり、私たちは過去の教訓を活かし、準備を怠らないことが何より重要です。

今すぐできること

  • 防災バッグの中身を点検する
  • 家族で避難場所や連絡方法を話し合う
  • 防災アプリをスマホに入れて使い方を覚える
  • 家の中の安全対策(家具の固定、ガラス飛散防止など)を進める

【編集後記】

私は医療の現場で多くの被災者を見てきました。
その経験から言えるのは、「当たり前の日常は当たり前ではない」ということ。

防災は決して他人事ではありません。
毎日の生活の中に「備える習慣」を少しずつ取り入れていくことが、未来のあなたとあなたの大切な人の命を守ります。


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