【ベトナム・カンボジア旅行記➀】ホーチミンとシェムリアップの冒険

旅日記 / Travel Diaries

幼馴染との旅の始まり

私には小学校の頃からの友人Tがいる。いわば幼馴染で、学生時代から二人で旅行に出かけるのが恒例だった。社会人になっても、休みを合わせてはバックパッカーとして旅を続けている。旅を楽しむうえで大切なのは、相手に気を使いすぎないことだ。お互いの良いところも悪いところも受け入れられる関係は、幼いころからでないと築けない気がする。大人になると、どうしても相手に取り繕ってしまうことがあるからだ。幼馴染というのは兄弟に近い存在で、旅の中でも気が楽である。

ある日、私たちはベトナムのホーチミンを出発点に、カンボジアのシェムリアップを目指すバックパック旅に出ることにした。成田空港を飛び立つと、飛行機の窓から見える夜の街の明かりが目に入る。東南アジアへのバックパック旅で最もテンションが上がる瞬間の一つだ。ホーチミンの街の光景は、見慣れた日本の夜景とは違い、期待感をさらに高めてくれる。

到着は夜。まずは空港近くのホテルに宿泊し、翌朝に備えた。バックパッカーにとって、ホテル選びは旅の安心感につながる。次の日は、ゲストハウスを探しつつ、カンボジアへの移動手段を手配するため現地旅行代理店「シンツーリスト」を訪れることにした。初心者バックパッカーにとって、このシンツーリストは旅のスタート地点として覚えておきたい場所だ。ここで手配すれば、大部分の移動や宿泊がスムーズに進む。


ホーチミンの街歩きと朝の風景

街を歩くと、朝10時を過ぎてもようやく朝食をとる人々の姿が見られた。この国の朝はゆったりとしている。通りを埋め尽くす原付バイクの波に最初は圧倒されるが、一定の速度で歩くと、バイクが自然に避けてくれる感覚を掴めるようになる。変に避けようとするとかえって危険だ。ホーチミンでは“流れに乗る”ことが、街を安全に歩くコツだ。

ここで少し、ベトナムのバイク文化について整理してみよう。


なぜベトナムはバイク大国なのか?

ベトナムでバイクがこれほど普及している理由は、主に経済状況、交通インフラ、バイクの利便性によるものである。

  1. 経済的理由
    自動車は非常に高価で、一般市民にとって購入は困難だ。一方、バイクは比較的安価で中古も手に入りやすく、維持費も低い。
  2. 交通インフラ
    都市部の道路は狭く、公共交通機関も十分に整備されていない。バイクは小回りが利き、渋滞時にも効率的に移動できる。
  3. 利便性
    50cc以下のバイクや電動バイクは免許不要で、16歳以上なら誰でも運転可能。高校生が通学に使うことも珍しくない。

バイクが生活に密着した理由

  • 生きるための足:ベトナムの8割以上の世帯がバイクを保有しており、通勤や通学、買い物など日常生活に不可欠な存在だ。
  • バイクタクシー:Grabなどのアプリを使えば、セオムと呼ばれるバイクタクシーを手軽に利用できる。移動手段だけでなく、運転手の収入源にもなっている。
  • 日本車の人気:市場シェアはホンダが79.3%、ヤマハが18.9%で、ほぼ日本ブランドが独占している。ホンダは現地での製造・販売・修理網を整えており、耐久性や利便性が高いため人気がある。

シンツーリストでの手配とメコン川クルーズ

シンツーリストでカンボジア・シェムリアップ行きの乗り合いバスを予約した後、午後は時間に余裕があったため、メコン川クルーズに参加することにした。ジャングルクルーズを彷彿とさせる景観や、水辺の生活風景を間近に見る体験は、まさに冒険心を刺激する。

川沿いの家々や市場、漁をする人々の姿を見て、現地の生活文化を肌で感じることができる。この体験は、ただ観光するだけでは味わえない、旅ならではの学びだ。


ホーチミン夜のハプニング

夜になると街はさらに賑やかになった。原付に乗った女性から声をかけられるハプニングもあり、少し緊張した場面もあったが、丁重に断って事なきを得た。ホーチミンの道路事情やバイク密度に最初は戸惑うが、次第に“流れを読む”感覚が身につき、旅のスリルを楽しむ余裕が生まれる。

子どもたちが外で夕食をとる光景を見ながら、文化の違いを感じつつ、翌日に備えて就寝した。


時差設定ミスと予期せぬトラブル

翌朝、ホテルのフロントから電話で起こされる。「バスはもう出発しました」との知らせ。実は、私たちは時差の設定を誤っており、数日間ずっと“ベトナム時間−2時間”で生活していたのだった。

幸いにもホテルのスタッフの助けで、代わりにプノンペン行きのバスを手配してもらえ、急遽予定を変更することになった。旅では予定外の出来事も楽しみの一部であり、幼馴染との旅なら笑いに変えられる。この柔軟さこそ、旅の醍醐味だ。


旅を通して学んだこと

このバックパック旅で得られた学びは多い。道路を渡るコツ、現地の交通事情、文化の違いを肌で感じることは、観光以上の価値を持つ。また、幼馴染との旅では、気を使わず自由に行動できる安心感が、新しい発見を楽しむ力につながる。

ホーチミンの街歩きやメコン川クルーズ、ハプニング体験などは、単なる旅行記ではなく、読者にとっても参考になる情報となるだろう。旅のトラブルは新しい出会いや発見への扉であり、計画通りに進まないからこそ得られる経験もある。


まとめ

ベトナム・カンボジアのバックパック旅は、文化体験、交通事情の学び、トラブル対応力、幼馴染との信頼関係といった要素が交錯する、豊かな時間だった。都市の雑踏、川沿いの生活、人々の営みを目にすることで、日本の生活では得られない感覚や学びが詰まっている。

これから東南アジアを旅する人にとって、幼馴染や友人と一緒に臨む旅は、安心感と自由さを兼ね備え、予期せぬ出来事も笑いに変えられる最高の体験になるだろう。

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