インド放浪記⑤(最終回):帰国と“聖なる牛丼”

旅日記 / Travel Diaries

バラナシから再びニューデリーへ戻る夜行列車。寝台はじゃんけんで負けて最下段になったが、そこから見上げた星空は圧巻だった。無数の流れ星が流れ、ホタルが舞い、現実とは思えない景色が広がっていた。

「牛が線路を横切ると列車が止まる」という噂は本当だった。列車は何度も止まり、大幅に遅れて到着。途中で知り合ったスペイン人カップルとも「牛が原因らしいね」と笑い合った。混沌の中で育まれる、奇妙だけれど温かい旅人同士の絆。

帰国便の飛行機の中で、旅仲間と「帰ったら何食べたい?」という話になる。焼肉、寿司…いろいろ出たが、最終的に「牛丼」に全員が一致。神聖とされた牛を目の前にしていた日々の終わりに、日本の牛丼はまるで“聖なる牛丼”のように感じられた。

この旅で得たものは大きい。「足るを知る」こと。便利が当たり前ではないこと。多くの不便、不安、不思議を味わってこそ、自分の中にある価値観が研ぎ澄まされていく——。
今でも、あの旅が私の中の「原点」だと感じている。

「インド放浪記」シリーズ・完

Oooh | パックツアーに頼らない、私らしい自由な海外旅行
特別で自由な海外旅行なら新しい旅行スタイルOoohにご相談ください!現地在住コーディネーターが感動の旅をオーダーメイドします。パッケージツアーでは実現できない有名観光地はもちろん、ガイドブックには未掲載の観光地、移動手段(専用車)、旅行体験...

コメント

タイトルとURLをコピーしました