インド放浪記②:アグラで見た白と黒のタージマハル

旅日記 / Travel Diaries

駅に近づくと、警備員風の男が近づいてきた。「中に入るなら金を払え」と言う。しかも、その金額は前夜の宿代より高額だった。

怪しいと思い、別の入口を探すと、何事もなく駅に入れた。やはり詐欺だったのだ。さらに別の男からも金を要求されたが、日本人旅行者の男性に「それ詐欺だから無視してOK」と言われ、救われた。

旅人同士は打ち解けるのが早い。駅で出会った日本人7人が自然とグループになり、情報交換や行き先相談をしながら一緒に移動することに。その夜は「インド初飲み会」として、居酒屋のような場所に入った。

公共の場での飲酒がタブーとされるインドでは、ビールは銀紙に包まれて提供される。生ぬるく冷えていないビールだったが、それが驚くほど美味しく感じた。旅の疲れ、不安、喧騒、詐欺、すべてを吹き飛ばすような一杯。人生で一番美味しいビールだったと言っても過言ではない。

翌朝、私はトゥクトゥクに乗ってタージマハルへ向かった。案内役は、昨日駅でしつこく話しかけてきた運転手。500円で半日案内してくれることになった。

白亜のタージマハルは、シャー・ジャハーン皇帝が亡き妃のために建てた愛の墓。彼は後に対岸に「黒いタージマハル」を建てようとしたが、息子たちの反乱で幽閉され、その夢は叶わなかったという。

美しい建築とその裏にある切ない物語。観光地の喧騒の中でも、しんと胸に残る空気があった。

次回:「インド放浪記③:混沌のバラナシとチャイの誘惑」へつづく

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