【体験談+最新研究】育児中のスマホ使用は本当に悪影響?母親と乳児の実証データから考える

最新医学トピック解説

はじめに:スマホを触るなと言われるけど…正直どうなんだろう?

私は、子どもが甘えてくると妻から「スマホばかり見ないで」とよく注意されます。
けれど、実のところ妻もスマホを見ている時間があるのです。これは口が裂けても言えませんが(笑)。

世の中には「子どもの前でスマホをいじるのは悪影響」という育児のハウツー本や記事がたくさんあります。
でも、多くは経験談や感覚的なもので、科学的なエビデンスに基づいた話は少ないように感じていました。
「確かにそうだろうな」と思う一方で、では「だからといってずっとスマホを触るのをやめるか」と問われると、正直、そこまで確信は持てていなかったのです。

そんな中、母親と乳児を対象にした科学的な研究論文を見つけました。
今回は、その興味深い研究を紹介し、育児中のスマホ使用が親子のコミュニケーションにどのような影響を与えるのかをわかりやすく解説します。


育児中のスマホ使用が問題視される理由とは?

スマートフォンは私たちの生活に欠かせない存在になっています。
しかし、子どもと過ごす大切な時間にスマホを使うことで、親が子どもに十分な関わりを持てなくなるのではないかという懸念があります。

具体的には、

  • 子どもへの語りかけや反応が減る
  • 親子の目線や触れ合いが減少する
  • 子どもの発達や情緒に悪影響を及ぼす可能性がある

という指摘がされています。

これらの問題は、実はほとんどが「親の経験談」や「感覚的な印象」に基づいています。
科学的な裏付けがまだ十分でないため、親としても「本当にスマホが悪いの?」と疑問に感じる方も多いでしょう。


最新の科学的研究でわかったこと:母親のスマホ使用と語りかけの関係

今回紹介する研究は、アメリカの16組の母親と乳児の親子を対象に、家庭での自然な環境で計測を行いました。
特別な実験室ではなく、実際の生活の中でどれくらいスマホを使い、どれくらい話しかけているかを測った貴重なデータです。

研究の特徴

  • 母親のスマホ使用をモバイルセンサーでリアルタイム検知
  • LENA(Language ENvironment Analysis)という装置で母親の語りかけを音声自動解析
  • 1週間にわたる7時〜19時の計測データを収集
  • 母親、乳児、他の大人の話し声も同時に分析

研究の主な結果

  • スマホ使用中は、使用していない時に比べて母親の語りかけが16%減少
  • 特に短時間(1〜2分)のスマホ使用時は語りかけが26%も減少
  • 午前9時〜10時、正午12時〜13時、午後3時〜4時にスマホ使用と語りかけ減少の関係が強く見られた
  • 長時間のスマホ使用は通話やビデオチャットの可能性があり、語りかけが増えるケースもあるため単純に減るとは言い切れない
  • 親はスマホの影響を自覚しにくい傾向がある

具体的なデータ解説

母親のスマホ使用時間は平均4.4時間/日

母親たちは7時から19時の間で平均して4時間以上スマホを使っていました。
想像以上に長い時間で、子どもとの関わり時間に影響が出る可能性が考えられます。

スマホ使用中の語りかけが減る理由

スマホを触る短い瞬間でも、子どもに話しかける時間が大幅に減ります。
これは「スマホに集中して子どもに気が向かない」ためだと考えられます。

ただし、通話やビデオチャットなどは話す機会を増やすため、長時間のスマホ使用では語りかけが減らないケースもあることがわかりました。

時間帯別の違い

例えば食事の時間や家族が帰宅する時間帯は、親子のコミュニケーションが活発になるため、スマホを使うと影響が大きくなる可能性があります。


なぜスマホ使用は子どもの言葉の発達に重要?

子どもが言葉を覚えるためには、親からの「語りかけ」が非常に重要です。
語りかけは、子どもが言葉のリズムや意味を理解し、話す力を育てる土台になります。

スマホ使用により語りかけが減ると、子どもが聞く言葉の量が少なくなり、言語発達に悪影響を及ぼすリスクが高まります。


スマホ使用の影響は一概に悪いとは言えない

研究者は、スマホ使用が「悪影響だけ」ではないと強調しています。

  • スマホで子どもと一緒に動画を見たり、会話をしたりする場合もある
  • 長時間の通話は語りかけが増えることもある
  • 使う時間や場面、使い方によって影響は異なる

つまり、「ただスマホを使うこと」が悪いのではなく、使い方やタイミングが大事なのです。


研究の限界と今後の課題

この研究はサンプルが16組の親子であり、アメリカの特定地域の家庭が対象でした。
また、計測機器の誤差や、他の大人の声が混じるなどの影響もあります。

さらに、スマホでどのアプリを使っているかの詳細がわからず、通話やSNS、ゲームなど利用内容による違いも分析できていません。

今後は、

  • より大規模・多様なサンプルで検証すること
  • スマホの具体的な利用内容を区別して調べること
  • 親のスマホ使用の「動機」や状況をリアルタイムに把握すること

が求められます。


私たち親ができることは?

この研究からわかるのは、スマホを使っている間は子どもへの語りかけが減りがちであること。
それを理解したうえで、親としては以下を心がけたいですね。

  • 子どもと過ごす時間にはできるだけスマホを控える
  • 特に食事や遊び、読み聞かせの時間はスマホをしまう
  • スマホを使う時は子どもに見せながら一緒に楽しむ工夫をする
  • スマホ使用時間の記録やルール作りを家族で話し合う

まとめ

私も日頃、妻から「スマホばかり見ないで」と言われますが、こうした科学的な根拠があると納得感があります。
とはいえ、「子どもの前で絶対にスマホ禁止!」というよりは、スマホの使い方やタイミングを工夫しながら、子どもとの大切な時間を守っていくことが重要だと思います。

今回の研究は、日常生活での親子のコミュニケーションにおけるスマホの影響を客観的に示した初めての試みであり、今後の育児支援や子どもの発達研究にとって大きなヒントになるでしょう。


参考文献・原著論文

  • Mikhelson, M., Luong, A., Etz, A., Micheletti, M., Khante, P., & de Barbaro, K. (2024). Mothers speak less to infants during detected real-world phone use. Child Development, 95(5), e324-e337.
    DOI: 10.1111/cdev.14125
  • Radesky, J.S., et al. (2015). Parent Smartphone Use and Infant Interaction. Pediatrics.
  • Wolfers, M., et al. (2020). Smartphones and Parental Responsiveness. Developmental Psychology.
  • Hodes, L., & Thomas, G. (2021). Daily Smartphone Use Statistics. Journal of Digital Behavior.
  • de Barbaro, K. (2022). Multimodal Sensors in Child Development Research. Frontiers in Psychology.

最後に

スマホは現代の生活に欠かせませんが、子どもと向き合う時間の質を高めるために、スマホとの付き合い方を見直してみませんか?
今回の研究をヒントに、スマホと上手に付き合う育児ライフを目指しましょう。

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