CQ415-2:子宮収縮薬投与中にルーチンで行うべき管理とは?

産科ガイドラインを勉強する

はじめに

出産に関わる医療者にとって、分娩誘発や陣痛促進で使用される子宮収縮薬の管理は、安全な母体・胎児管理の基本です。CQ415-2では、子宮収縮薬投与中にルーチンで確認すべきことについて示されています。本記事では、後期研修医、初期研修医、医学生向けに、臨床での実践ポイントや注意点を解説します。


子宮収縮薬投与中に確認すべき母体のバイタル

血圧と脈拍のチェック

  • 子宮収縮薬(オキシトシン、PGF2α、PGE2)には、高血圧や子宮破裂、腹腔内出血などの有害事象が報告されています。
  • そのため、投与中は母体の血圧と脈拍を最低でも2時間ごとに確認することが推奨されます。
  • 異常が認められた場合は、原因検索、保存的処置、必要に応じて急速遂娩の準備を行います。

臨床例:オキシトシン投与中の30歳初産婦で、2時間ごとの血圧チェック中に160/100 mmHgを記録した場合、速やかに原因検索と降圧管理を開始します。


胎児心拍数の連続モニタリング

CTGによる観察

  • 分娩監視装置(CTG)を連続装着し、胎児心拍数陣痛図として記録します。
  • トイレなどで一時的にモニタリングできない場合を除き、常に評価が必要です。
  • 胎児の健常性を維持するため、過強陣痛や胎児機能不全の早期発見が重要です。

胎児心拍数陣痛図の評価間隔

  • 分娩第1期:15分間隔で評価
  • 分娩第2期:5分間隔で評価

解説:分娩第1期は子宮口開大の進行期で安定していることが多いため、やや長めの評価間隔で問題ありません。一方、第2期は分娩進行中で胎児負荷が増すため、短い間隔での確認が必要です。


異常の早期発見:子宮頻収縮と胎児機能不全

子宮頻収縮(tachysystole)

  • 定義:10分間に5回を超える収縮
  • 過強陣痛や胎児酸素供給不足のリスクがある
  • PGF2α投与時はオキシトシンより持続時間が長く、より注意が必要

胎児機能不全

  • レベル3~5の胎児心拍数波形が出現した場合、過強陣痛や胎児機能不全の可能性を疑います。
  • 早期対応として、投薬中止や子宮収縮抑制薬投与、緊急介入を検討します。

臨床フロー例:子宮収縮薬投与中の管理

  1. 投与開始前に母体バイタルと胎児心拍数を確認
  2. 投与中は2時間ごとに血圧・脈拍を測定
  3. 胎児心拍数はCTGで連続監視
  4. 分娩進行に応じて評価間隔を調整
  5. 子宮頻収縮や胎児心拍数異常が出現した場合は、CQ415-3対応(投薬中止・収縮抑制・緊急介入)

これにより、母体・胎児双方の安全を確保しつつ、分娩誘発や陣痛促進を安全に進められます。


問題

40歳の初産婦。陣痛促進のためオキシトシン投与中です。次のうち、ルーチンで確認すべき管理として正しいものはどれか

A. 母体血圧と脈拍は投与開始24時間後に1回確認すれば十分
B. 胎児心拍数はトイレ時のみ確認すればよい
C. 分娩第1期は胎児心拍数陣痛図を15分ごとに評価する
D. 子宮頻収縮は10分間に3回の収縮で判定される
E. PGF2α投与中はオキシトシンより注意は不要

正解:C

解説

  • A:最低でも2時間ごとにチェックする必要があります。
  • B:投与中は連続モニタリングが必要です。
  • C:正解。分娩第1期は15分間隔での評価が推奨されます。
  • D:子宮頻収縮は10分間に5回以上が基準です。
  • E:PGF2αは持続時間が長いため、オキシトシンと同等の注意が必要です。

まとめ

  • 母体バイタルの定期チェック胎児心拍数の連続モニタリングが最重要
  • 胎児心拍数陣痛図は分娩の進行に応じて評価間隔を調整
  • 子宮頻収縮や胎児機能不全の早期発見が、安全な分娩管理の鍵
  • PGF2α投与時はオキシトシンより持続時間が長いため、同等の注意が必要

コメント

タイトルとURLをコピーしました