はじめに
妊娠を希望する女性に対して、「葉酸サプリを摂りましょう」とアドバイスするのはもう定番。ですが、その裏にある根拠、説明できますか?
神経管閉鎖障害(NTDs)とは?
神経管閉鎖障害(NTDs)には、二分脊椎、脳瘤、無脳症などが含まれます。胎児の神経管がうまく閉じず、重篤な先天異常をきたす疾患群で、**妊娠初期(妊娠6週まで)**に発生します。
葉酸補充がNTDs予防に効果的な理由
葉酸はDNA合成・細胞分裂に必須のビタミン。NTDsは細胞分裂が盛んな初期の神経発達異常なので、妊娠前からの葉酸補充が大きな意味を持ちます。
- 一般女性には、妊娠の1ヶ月以上前から1日0.4mg(400μg)の葉酸サプリメント摂取が推奨されます。
- 食事だけでは不十分:食品中の葉酸は吸収率が低く、サプリメントに含まれる合成型葉酸(プテロイルモノグルタミン酸)の方が有効。
ハイリスク群には高用量の葉酸を
特に注意が必要なのは、NTDs児の妊娠既往がある女性。再発リスクは一般女性の10倍以上とされます。
このような女性には、
- **妊娠前から妊娠11週末まで、1日4〜5mgの葉酸(医師の管理下で)**を服用すると、再発リスクを減らせるとされています(CDC・WHO推奨)。
ただしこの高用量葉酸は、
- 保険適用外(フォリアミンⓇなどの処方)
- 妊娠12週以降は0.4mgに戻す
- 長期・高用量摂取の安全性は不確か(一部で発達遅延の報告あり)
「葉酸さえ飲んでいれば大丈夫」は誤解!
NTDsは多因子疾患。葉酸不足が唯一の原因ではありません。
そのため、
- 葉酸を摂っていてもNTDsが起こることはある
- 葉酸を摂らなかったからといって自責の念を抱かせないようにする配慮が必要です
葉酸の副作用は?薬剤との相互作用は?
- 葉酸の副作用はまれですが、過敏症(発疹など)の報告があります。
- 抗てんかん薬(カルバマゼピン、バルプロ酸など)は葉酸拮抗作用をもち、NTDsリスクを高める。
→ 葉酸補充でリスクが下がるというエビデンスはまだ確立していませんが、1日0.4mg程度の補充は推奨されています。
問題
妊娠を希望する女性に葉酸の補充を勧める理由として、最も適切なのはどれか。
A. 妊娠初期のつわりを軽減する
B. 流産率を低下させる
C. 胎児の神経管閉鎖障害リスクを低下させる
D. 妊娠糖尿病の発症を予防する
E. 出産時の母体出血量を減少させる
正解
C. 胎児の神経管閉鎖障害リスクを低下させる
解説
葉酸は胎児の神経管閉鎖障害(NTDs)の予防に効果があります。神経管は妊娠6週頃までに閉鎖するため、妊娠成立前からの葉酸摂取が重要です。
選択肢のA・B・D・Eはいずれも葉酸の直接的な効果としては証明されていません。
おわりに
妊婦指導や不妊外来で“葉酸”の話題が出たときに、単に「飲んでおいてね」ではなく、いつから・どのくらい・なぜ必要なのかをきちんと説明できるのが良い医療者。
エビデンスとともに背景を理解し、患者さんが納得できる医療を提供できるように心がけましょう。

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